先週くらいから少し風向きが変わった様子で、我々も来るべき「時」に備えて色々と準備をしているところ。
現在の日本は数週間前のアメリカの状態に似ており、ここから手を拱いていると間違いなく同じ道を辿ることになると思う。
現在の法制上は諸外国のような強制的な方策が打てないのが痛いところだが、それでもここ数日の小池都知事をはじめとした首長からの発信はそれなりに効果があると思うし、そう思いたい。
我々としては行政の判断や指示を待つまでもなく、今出来ることを着々と進めることが大事。
特に一般外来やERに患者が爆発的に押し寄せることを想定したシミュレーションや人員とサプライの確保は絶対にやっておかないといけないし、あまり考えたくないが病院としての「リミット」、つまり「もうこれ以上は無理」と言うところも設定しておくべきだろう。
当然、疑い症例も含めCOVID-19に関連した患者だけ想定して受け入れれば良いと言いわけではなく、通常の病院機能も維持しつつ、と言うことになる。
こうした準備を先週から始めているのだが、「前に出たい人」と「目立ちたくない人」がいる中で、皆が同じ方向を向いて行くのは一筋縄ではいかないものだ。
そもそも多くの業種が関わる医療は、それぞれに抱える背景があり利害が一致しないもの。
そういうことを理解した上で、どうしたらこの難局を乗り越えられるか、を考えている。
臨床現場で起きうる最悪の状態を見据えて、シミュレーションを重ね、これからの数週間を大事に、その「時」を待ち受けたいと思う。